凡シュール

創作物を分析してわかるインプットの大切さ

凡シュールのエッセイ

2021年6月17日にnoteで公開した記事のリバイバル。
現在移行作業中のため一時的に読みづらくなっていますが後日修正予定です。ご了承下さい。

この記事では創作物には山場が必要としているが、別に山場が無い創作物もこの世には存在すると今なら理解している。

よく本好きが「○○冊読んでいます!」と言っていたり音楽好きが「いろんなアーティスト聴いてます!」と言っていたりする。

でも肝心なのは数じゃない。数が多くても、何となく触れて何となく忘れるだけじゃインプットにはならないからだ。それはただの娯楽で終わる。

自分で何も作れない状態になる時が多いので、もともと世に出ている作品を軽く分析してみる事にした。

とりあえず小説(物語)、映画、音楽の三形態でやってみる。

まずはピーターラビットのおはなし。

みんな知ってるあのピーターラビットの絵本だ。

子供向けながら起承転結が結構しっかりしているし、動物中心の世界観ながら決してのほほんとしているわけではないのがポイントである。

このお話の肝の部分は、ピーターがマグレガーさんに遭遇してしまってから…。つまり逃走劇の部分だ。

冒頭で示唆されているとおり、マグレガーさんに捕まったらうさぎパイになって食卓行きなので、ピーターも必死になるわけだ。児童書にしては何ともスリリングな展開。

起承転結の転。

画像のストーリー展開のところでも赤字にしてある。

次に映画のオーシャンズ11。

こちらも知る人ぞ知る有名映画である。

ストーリー構成は非常にシンプルで、出所したばかりのダニーが仲間を募って、ラスべガスのカジノの金が集う難攻不落の金庫を破るというお話である。

当然、この話のホットな部分は計画実行からの逃走部分である。

メイン部分はとにかく派手に、他パートは抑えめにする事でメリハリになっている。

とはいえ、仲間集めの部分では紹介を交えて11人それぞれの特徴を視聴者に分かりやすく伝えている。

そのため、登場人物は多いが「誰が誰だ?」状態にはなりづらい。

仲間紹介シーンは場合によっては冗長で退屈になりがちだが、この映画ではテンポ良くユーモラスに進んでいくので、飽きずに見る事が出来る。

次は音楽。ストーリー展開というよりは曲展開の分析である。

音楽は結構決まった型が分かりやすい。

今回はヨルシカの新曲、又三郎を題材にしてみた。

曲名からわかるとおり、宮沢賢治の「風の又三郎」をイメージした曲である。

大胆にも作中の文章をそのまま引っ張ってきているのが印象的。

画像の曲展開部分にもあるとおり、盛り上がりどころはイントロ、サビ、Cメロ。赤字にしている。

Aメロの静謐さとサビの衝動的な激しさのギャップ。

構成もさることながら、ボーカルsuisさんの表現力が相変わらず凄まじい。

ヨルシカならではの魅力だと思う。

といった感じで、とりあえず物語、映画、音楽の3つの形態で簡単に分析してみた。

ゲームのストーリーなんかも分析してみたい。

軽く分析して分かるのが、どんな形態だろうが展開の中にホットなポイントが存在することだ。

J-POPのあらゆる曲にサビがあるように。

サビとそれ以外のパートで、明らかに違いが出るようにメリハリをつけているし(当然サビが一番盛り上がるようにしている)、それ以外の場所はサビへの道筋になっている。

創作物でも論文でもトークでも大して変わらないのだが、話には必ず山場が必要である。

山場がない話はダラダラしているだけで面白くないからだ。

山場があるにしても、道筋がハッキリしていないと「えぇ、ここが山場だったの?」とよく分からないまま終わってしまう。

最初から最後まで常に出力100%でもやっぱり盛り上がりどころが分からない。

結局何が言いたかったんだ?となってしまう。

それだと伝わらない。

既存の創作物が教えてくれるとおり、メリハリは大切なのである。

Scapple

今回分析に使ったツールはScappleというアプリである。

MacとWin版があるが、Macの方が使いやすいとか何とか。

Scapple | Literature & Lattewww.literatureandlatte.com

マインドマップである。

分析に使えるし、アイディア出しにも使える。

とにかく自由度が高いのが特徴。

昔ブログで似たような事やってた

これに似たような事を実は昔ブログでやっていた。

その頃はアニメなどの感想記事を書こうとして、細かくパート分けして解説していたんだが、今思うとあれがそれなりにいい経験になっていると思う。

分析をどう活かすか

じゃあ分析してどうするのかという話である。

別に分析するだけでも楽しいのでこれだけでもまあいいのだが。

自分の創作に活かす事だって出来る。

ついこの前書いたSSも、盛り上がる部分…手を繋ぐところを重要視してとにかく解像度高めに描写した。

それ以外は手を繋ぐシーンに繋ぐ道筋に過ぎないというか。

構成はまさにJ-POPの曲を意識している。

だからこそサビ部分の怒涛の畳み掛けが読者に刺さるような構成になっているとか何とか。

あと、私は創作する際にテーマ設定に悩む人だ。

というかテーマ設定がめんどくさいから今まであまり真面目に創作していない、まであるくらいである。

だが、テーマだけ既存作品から頂いちゃってもいいわけで。パクりとかではなく。

ピーターラビットを参考に「私が動物主人公の話を書いたらどうなるのか」とかオーシャンズ11を参考に「私が豪華絢爛な話を作るならどうなるんだろう」とか、又三郎を参考に「風をテーマにした曲を作ったらどうなるかな」とか…。

Scappleで図式化していつでも見れる状態にしておくと、テーマ設定に詰まった時に引き出しやすいのだ。

纏めておくと、自分の好きな展開や特徴も掴みやすいし。

とまあ、ただ読んだり見る、聴くだけでは分からない事が見えてくるので分析はとてもいい。

登場人物の相関図みたいなものを書くだけでも面白い。

今後も習慣にしていこうと思う。

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