凡シュール

もうこないからねー

凡シュールのエッセイ

先日の記事の続き。

企業に問い合わせしたと書いたが、本日返答が来た。
お手本のようなテンプレ回答だった。

それを読んで「そりゃそうですよね」と「やるせないな」という2つの感情がわいた。

もし仮に要望が通り、私にだけ特別対応したとする。
そして万が一私が友人に話したら。
SNSでそれを公開してしまったら。

「え、ずるい」「自分もそうしてもらおう」と問い合わせが殺到する事になるだろう。
それは炎上に等しい。

そして、私が仮に怒り狂ってSNSで会社の悪評を振りまいたりしたら炎上に繋がる。
だからこそ「大変心苦しく」「誠に申し訳ございませんが」などのテンプレート回答に徹して、余計な事を言わない。

企業としては完璧な対応だろう。
企業からしたら、これ以外に対応しようがない。

実際、私も「3個分の値段で希望のものを3つ買わせてほしい」という要望なんかが本当に通るとは思っていなかった。
ただ、返金制度悪用の悪質クレーマーだと思われないよう言ってみた。

どちらかと言うと「御社の商品好きだけどブラインド商法は正直歓迎していない、普通に買わせてほしい」という態度をにおわせるのが目的の要望だった。

要望自体はダメもとで通ればいいけどなと思っていただけに過ぎない。
改めて思う。

私のやるせない気持ちも何もかも、企業からしたらただの面倒な1つのクレームに過ぎないんだろうなと。

というかこういうテンプレ対応をされたからこそ「自分の声を全く聞き入れようともしてくれない」事に怒る人も多いんじゃないだろうか。
だからSNSで会社名を晒しながら過激に怒りを表明する人が後を絶たないのではないだろうか。

これは決して客の声を全部聞けと言ってるわけじゃない。
誰が悪いとかの話じゃない。
誰も悪くないのかもしれないし、みんなが悪いのかもしれない。
強いて言えばシステムが悪い

ただテンプレで処理して、顧客の切実な声を全く聞き入れる気配が無い事…
つまり企業と客の対話が不可能なこの状況そのものを嘆いている。
コミュニケーション不全。

日々、企業のカスタマーサポートには様々な要望がたくさん届く。
それらの要望の中には本当のワガママ…
バカげたものもたくさんあるのだろう。
まあ今回の私の要望もバカげたものかもな。

毎日そういった多数のクレームを捌くためには、企業側もテンプレートに頼らざるを得ない。
1人1人に向き合ってる場合じゃない

そうして機械的な返答をした結果、さらに客の怒りを買ってSNSで炎上
炎上を恐れて企業はさらに機械的な返答しかしなくなっていく…。
企業と顧客、双方足の引っ張り合い

ここまで書いてみて思った。
バカバカしいな。クソくらえ

結局その問い合わせの返答のメールは閉じ、私は再度LOFTに向かった。
該当の商品は店頭に4つだけ残っていた。
無造作に4つ掴み取って全部買った。

これがバカな消費者の姿なのだろうか?
金づるだろうか?
いや、これは手切れ金だ。

今後ブラインドボックス、ランダム販売のみの商品に手を出す事はないという意思表示
その最後の別れの意味での4個買い。

「もうこないからねー」
そんな気持ちで購入した。

好きな物を買っているはずなのに、こんなにワクワクしないのは初めてだった。
開封した。
欲しかったものが出た。全て揃った。

昨日の記事を書いた時点で7個買っていた。
その後で、実は家族が私のためにもう3個買ってきてくれた。
そして今日買った4個。
計14個。たった4種類をコンプリートするために14個も買った。

企業からしたらさぞ「ウマい商売」なんでしょうな。

もはや揃っても嬉しいという感情はなく「そっか、揃ったか」という素っ気ない反応になっていた。

好きなクリエイターがデザインしてて「可愛い」と思って買い始めた商品なのに。
不思議だ。
こんなの買わずに、その金で博物館の年パス課金した方が良かったなとすら思った。

その後、別の欲しかったものを普通にお金を出して買った。
普通に嬉しかった。
本来、物の売買とはこうであるべきだなとも思った。

ランダム商法なんてくだらない物に金を払うくらいなら、こういう普通の売り方をしている欲しい物を買った方がいいじゃないかと。
別にランダム商法のものじゃなくても世の中には素敵な商品が溢れている。

なんなら、無ければ作ればいい
技術が無い?じゃあ身につければ?
今の時代、YouTubeを探せば無料で見れる様々なハウツー動画で溢れてるんだから。

根気は必要かもしれないが、ランダム商法などというものに貢ぐ根気と愛と金があるなら創作くらい出来るのでは?
そもそもこんなクソみたいな商法に貢ぐ事でしか証明出来ない「推しへの愛」なんてハナから大した事ないんじゃないの?

だから私はもうランダム商法なんて買わない。
中指立ててやる。

こういう時にやめるやめる詐欺を疑われるものだが、私はやめると決めた事に関してはケジメをつけて本当にやめるタイプの人間である。
とあるゲームもいくつかそうやって辞めてきたし、一時期少しハマっていたクレーンゲームも一切やらなくなった。

お金の使い道はちゃんと考えるべきだよな。

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