凡シュール

分析癖を分析する

凡シュールのエッセイ

最近めっきりYouTubeを見なくなった。
正確には6月頃からである。

別に面白くなくなったとかそういうわけではない。
ただ、娯楽にかけるMPが不足しているのである。

娯楽といっても私の娯楽コンテンツの触れ方は少々変わっている。
純粋に「楽しい〜」「おもしろ〜い」と思う傍らで、「これはこういう演出で面白くしてるんだな」「この言い回しが…」などと脳内で分析が始まる。

別にやりたくてやっているわけではない。
自然とそのようになってしまうのである。

いわば「楽しい〜」の感性と「なぜ楽しいのか」を分析する理性が並列で走ってる感じである。
私の脳はそういうOSになってしまってるらしい。

クリエイターは同業者の作品をついつい分析してしまうという話をよく聞く。
イラストレーターだったら同業者の作品の構図の上手さについつい唸らされたり、小説家だったら文章の巧みさに感心したり。
いわゆる職業病というやつである。

私の場合は、これが多ジャンルに及ぶ。
動画、文章、音楽、ゲーム…。
あらゆるコンテンツに触れる時、つい深く分析してしまうのである。

分析というのは、作品に深くのめり込むという事と同義かもしれない。
それだけ深く作品を理解出来るという事だし、吸収出来るものも多い。
これはいい事なのではないだろうか?

一つ、最大のデメリットがある。
めっちゃ疲れる

理性の分析と感性の純粋な楽しさが同時に動いてるという事は、右脳と左脳がフル稼働しているという事だ。
脳への負荷がすごい。

軽い気持ちで流し見たり流し聞きしたりというのがほとんど出来ない。
気付いたら脳の回路が分析を始めているのである。
ラジオ番組ですらそうなのだ。気楽に聞けない。

純粋に「面白い!」と思うのと同時に「このパーソナリティのこういう言い回しが面白いんだな」と分析する。
癒しコンテンツですら「なぜこれが癒しになるのか」を考え始める。

そんなわけで、私の娯楽の触れ方はめちゃくちゃ脳に負荷がかかる。娯楽が娯楽じゃない
だから余裕がある時じゃないと触れる事が出来ない。
「今日は脳が疲れてるから気が乗らないな…」になるのである。

普通に娯楽として楽しんでる人がMP20くらい使ってるとすると、私はおそらくMP50程度使っている感じだ。

冒頭の話に戻るが、6月というのはちょうど私がこのサイトを立ち上げた頃である。
「サイトをどのようにしていきたいか」
そんな事に脳のリソースがほとんど持っていかれている状態である。

余剰MPはおそらく20程度しかない。
私が娯楽に触れるためにはMP50が必要。
足りない。

基本的にサイト制作やコンテンツ作りに集中し、合間に飯を食べたりし、疲れたら寝る。
というわけで、自然と娯楽に触れる余裕が無くなった。
寝る前にベッドで読書する習慣が一応あるが、余裕が無い時はそのままぐっすり寝る。

夏頃ポケモンSVをやっていたが、あれは「いい加減クリアしてブログで感想記事書くぞ!」と気合いを入れてやり込んだ成果である。

そんな私の最近の娯楽コンテンツは何かというと、スポーツ観戦
プロ野球中継である。
野球に関しては門外漢なので、分析が走る事は滅多にない。
だから純粋に娯楽として楽しめる。

まあ最近は野球中継ですら、つけてはいるものの作業に集中しててほぼ試合の内容が頭に入っていない…という感じだったが。
これじゃあ娯楽でなく作業用BGMである。

そんなプロ野球もレギュラーシーズンが終わり、ぼちぼちポストシーズンだ。
Bリーグが始まったので、バスケもたまに見ている。

といっても、プロ野球のレギュラーシーズンは大体週6稼働だがBリーグは大体週2程度である。
では試合が無い日はどうするか。

ここで散歩の出番だ。
散歩中に突然都市計画に思いを馳せたりする事もあるが、基本的にはぼーっと風景を楽しんでいる。

ちなみにこういう時の脳を使わない娯楽といえば、真っ先にSNSが挙がるだろう。
が、私にとってのSNSはほぼ分析対象である。

「なぜSNSでストレスが溜まるのか」を分析し、癒しのポストを見ても「このポストはこういう風に見せ方を工夫している…上手いな」と思考が走り始める。
これまた脳の負荷が高い。
とはいえ起動自体はインスタントなので、作業の小休止で20秒ほどタイムラインを眺めてからすぐ閉じる、を繰り返している。

この分析癖、ふと気になって調べてみたら「治すべきもの」として扱われる事が多いらしい。
へぇ…そうなの?
世間様というのはつくづく器量が狭いようで、私とはとことん相性が悪いらしい。

個人の性質を欠点だとレッテルを貼って矯正させようとするの、いい加減やめませんか?という気分にもなる。
何でもかんでも障害とか病気にしやがって。
個性を無理に矯正するよりはその個性が活きる場を見つけるサポートをするべきでは?

世間に適合した人材という狭すぎる門があって、それに少しでも当てはまらなければすべて社会不適合者扱い。随分と傲慢なものである。
殿様も逃げ出すレベルの殿様商売っぷりだ。

私の場合はこの分析癖という性質を逆手に取って、こうして駄文を連ねてみたりと活用しまくっている。
現代のサバイバル術といったところか。

サイト運営にもう少し余裕が出来てきたら、自然とまた娯楽に触れられるようになるだろう。
MP管理の問題である。

娯楽一つでここまでだらだらと文章を書けるのも、私の分析癖が活かされている証拠だろう。

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