2025年5月2日にnoteで公開した記事のリバイバル。
このおっさんは「電車にスマホとカバンを忘れた」と言っていたが、じゃあどうやって改札出たんだろうという疑問が後からわいた。
切符で乗ってたんだろうか。本当に?
小遣い稼ぎで騙そうとしていた可能性も0ではない。
真相は闇の中である。
昨日も歩いてたら道を聞かれてしまった。
どうせ駅への道でも聞かれるのかなと応対したら、どうやらスマホも財布も電車に忘れてしまったらしい。
そのおっちゃんは電車で40分くらいのところから来ているらしい。
「ほら、今これしかないのよ」と見せられたのは137円の小銭。
明らかに帰りの電車代がない状態である。
警察には届け出たらしいが、身分証が無いので助けてはくれなかったらしい。
使えねーな警察…と思いつつも、身分証が無い人を助けちゃうと悪用される可能性もあったりするんだろうか。
世の中の不条理、たいてい悪い奴が悪いのかもしれない。
そんなわけで、帰り道と所要時間を聞かれたわけである。
帰り道といっても明らかに遠い。調べたら20kmくらい。4時間半ほど。
最短ルートでそのくらいなので、実際にあてもなく歩いたらもっとかかるはずだ。
というわけで「5時間くらいですね、結構かかりますよ」と教えた。
方角も大体「あっちの方です」と指差す。
詳しく教えても逆に混乱しそうだし、遠すぎて「あっち」としか言いようがなかった。
まあ最初真逆の方角に歩いていこうとしてたので、役には立ったと思いたい。
おっちゃん自身は「歩くしかないよなぁ…」と、意外と乗り気である。
まあこのへんなら住宅街だしコンビニとかもたくさんあるし、行き倒れる事はないだろう。たぶん。
20kmなら遠いけどまあ何とかなる範囲だ。
歩くのが好きな私基準だが。
一応「タクシーで家まで行って家の人に払ってもらったりとか出来ないんですか?」と聞いてみたが、残念ながら一人暮らしらしい。
じゃあこれ以上力になれる事は無さそうだ。
「頑張ってください」とにこやかに手を振って見送った。
1つだけ明確な解決方法を思いついていたが、それは言葉に出さなかった。
1000円札1枚渡せばおっちゃんは悠々と電車に乗って家に帰れただろう。
が、それはなんか違う気がした。
おっちゃんのサバイブ能力を奪う方法というか。
それって真の優しさではない気がする。
まあせいぜい、道中がなるべく楽しいものになったらいいなと願うのみだ。
あのおっちゃんは無事に家に帰れただろうか。
一体その間にどんなドラマがあったんだろうか。
タイトルにもあるとおり、私はよく人に道を聞かれる。
全身黒ずくめで派手髪の女なので、話しかけやすい風貌というわけでもないと思うんだけどなぁ。
この前は母と下北沢を歩いてたら小田急の乗り場を聞かれ(といってもすぐそこだった)、去年のクリスマスにも地元で道を聞かれた。
日本橋から東京駅方面に歩いていたら、おばあちゃんに「ここから日本橋駅と東京駅どっちが近い?」と聞かれた事もある。
まさに中間地点のような場所だったので本当に困った。
「ほとんど変わらないですけど…強いて言うなら東京駅…ですかねぇ…」みたいな回答をした気がする。
世の中意外と迷子は多いのかもしれない。
にしてもなぜ私に聞くんだろう。
散歩好きで道には詳しいからそんなオーラでも出てるんだろうか。
不思議なものである。
冒頭のおっちゃんもそうだけど、こちらが道教えた後どうなったかって結構気になるよなぁ。
無事目的地に着いたのか。
余計に迷って悪態つかれてる可能性もあるなぁ。
アフターストーリー知りたいよなぁと思う。