ふと思った。
生との繋がりってずいぶん希薄なものだと。
ずっと昔の事だが、私は親が悲しむのが嫌だからという理由で生きるという選択を取っていたし、いつか親が死んだ時は自分ももしかしたら死ぬかもしれないなと漠然と思っていた。
それ以外に私をこの世に留める人間関係は無かった。正直今も怪しい。
それとは別に死の恐怖というものもあったし、死にきれなかった時への恐怖はもっとあった。
だから私は生きていた。
ふっと消えてしまえたら楽なのになと思いながら。
ロウソクの火みたいに。
美しいもの、可愛いもの、楽しいものも私を生に繋ぎ止めていた。
小説、音楽…そういったものは私をこちら側にとどめた。
しかしそれと同時に、そういった物が雑に消費され、脅かされる様もたくさん見てきた。
実際、どこかの偉い人が起爆スイッチを押したら全てがズドン!と消え去る可能性もあるのだ。
儚い。そしてくだらないなと思う。
平和というのは実に不安定な足場の上に成り立っているものだ。
そして私の生も思ったより不安定だったなと今は思う。
ある時から、私は明確に「自分の好きな物」を集め始めた。
これもやはり自分を生へ繋ぎ止めようとした末の行動なのかもしれない。
そして私は自分のサイトを作り始め、その中に買い集めた「自分の好きな物」のギャラリーページを作り始めた。
このサイトは私の存在証明なのかもしれない。
クリエイティブな事を始めたというよりは、生きる意味そのものの創造。
無いから作る。単純だ。
「自分の好きな物」は随分とたくさん増え、私と生を力強く繋ぎ止める。
サイトが拡充されるごとに、その強度がどんどん上がる。
やはり私は生きたいのだろう。
クソみたいな物ばかり目立ち、美しい物ばかり理不尽な目にあうこの絶望的な世の中でも。
生存する理由を創造している。
綻びの無いように、強く。
