最近は「SNS疲れ」や「コミュニティ疲れ」なんて言葉も、すっかり一般的になったように思います。
実際、このサイトでも過去にSNS疲れについてまとめた記事を書いています。
記事の中でも挙げているように、SNS疲れの理由とは主に
- 数字で競争させられるのに疲れた(いいねなど)
- ノイズに疲れた(広告や見たくない情報、アルゴリズム)
- 同調圧力に疲れた
の3点によるものだとしています。
これらの要素を排除したSNSが作れないかと模索してみましたが、とりあえずDiscordサーバーでこのストレス要素を排除したコミュニティを作れるのではと考えました。
というか「そもそも最近のインターネットつまんなくね?何で?」という思いもあり、何とかならないかなぁと思っていました。
そうして出来たのが「ネ庭(ねてい)」というDiscordサーバーです。
◎普通のコミュニティサーバーと何が違うの?
まず従来のコミュニティサーバーとネ庭(ねてい)が、決定的に違うところがいくつかあります。
それは完全にスレッド分散形式をとっている点です。
どういう事かと言うと、従来コミュニティは各スレッドも管理人あるいは運営メンバーが主体的に管理している場合がほとんどだと思います。
しかしネ庭(ねてい)はスレッドを立てた人(スレ主)に、そのスレッドの自治権を委譲しています。
最低限のサーバールールだけ設置し、あとは各スレッドのローカルルールをスレ主が自由に設定してOK。
すなわち、国の法律と県の条例に近い関係を構築しました。
こうする事で、コミュニティ全体の空気というものが従来のものより限りなく少なくなります。
また、仮にAさんとBさんの相性が悪い場合でも「同じスレッドに顔を出さなければいい」という完全な棲み分けが可能になります。
スレッドごとの個性も明確になる。
昔主流だった2ちゃんねるは、そういう意味では今のSNSよりも優秀なコミュニティツールでした。
参加者はほぼ全員名無しでしたが各板、スレごとにその風土は全く異なる。
殺伐とした場所もあれば、ネタ主流の場所、ただただ趣味を共有する場所など多種多様でした。
利用者は、それらのスレッドを自由に行き来する事が出来た。
2ちゃんねるは「国の法律」部分が無かったために無法地帯となり、またシステムそのものが古いために衰退しましたが、上記の点では非常に優秀だったと思います。
最近のサービスだとRedditに近い感覚かなと。
英語圏で主流のプラットフォームです。
各サブレ(板みたいなものです)にモデレーターがそれぞれ存在し、サブレごとのルールが設定されています。
不適切な投稿を発見した場合はモデレーターが削除したり出来る。
それに近いものをDiscordのサーバーでやろうとして出来たのがネ庭です。
◎どうやって自治するの?
自治権といってもどうやって?と思うかもしれません。
スレ主がスレッドごとにローカルルールを設定出来るという説明をしました。
これに加えて、ネ庭にはオリジナルの「メッセージ削除Bot」が存在します。
一般ユーザーは全員「庭鳥」ロールというロールを付与されるのですが、このロール自体にはメッセージ削除権限はありません。
しかし、Botのコマンドを利用する事によりスレ主が「この発言は不適切だな」と思う投稿を自由に削除する事が出来ます。
このBotは、スレ主が自分のスレッド内で実行した場合しか発動しないようになっています。
他の人がイタズラで発動させる事は不可能になっています。
◎だからこそ棲み分けが可能に
ちなみにネ庭のスレッドは、Discordのフォーラムチャンネル機能を用いています。
参加者は、自分の興味あるスレッドのみをフォローすればいい。
合わなくなったなと思った場合は、ただフォロー解除すればいいだけです。
Discordのスレッドのフォローというのは、自分がチェックしやすくなるか否か以外の機能はありません。
フォロー数なども無く、解除したから特に何かがあるわけでもない。
またネ庭ではスレッド重複OKな方針のため、自分好みのスレッドを建てる事も可能です。
サーバーの方針としても合わない人に無理に合わせる必要なく、ミュートブロックを活用しつつ新しいスレッドを立てたりしてもOKとしています。
これが従来のコミュニティと大きく違う点かなと思います。
従来コミュニティの場合は「コミュニティのノリが合わない」→抜けて別のところを探すしかありませんでしたが、ネ庭の場合はノリが合わないなら別のスレッドを探すなり立ててしまえばいい…というわけです。
◎VC非搭載により、好きな時に自由に参加出来る仕組みに
ネ庭のもう一つの特徴は、VC(ボイスチャット)非搭載なところです。
単純に管理人自身がVCそこまで得意ではない、VCがあるだけで管理コストが跳ね上がるという点もありますが、もう一つ大きな理由があります。
VCがあるだけで「内輪ノリが加速する」ことです。
かつて自分でサーバー運営したり他のサーバーに入っていた経験から、VCがある事で「参加者同士の絆」みたいなものが生まれる事に気付きました。
飲み屋に例えると、常連客とたまにしか来ない客との差といったところでしょうか。
言い方はアレですが、必然的に常連客が徐々に幅を利かせるようになります。
新規参加者に対して「新規さんいらっしゃい!」とあたたかく迎えるなんて場面はよくありますが、正直新規ユーザーからしたら内輪ノリの押し付けや鬱陶しさを感じる場合も多いと考えています。
もちろんVCが無いところでも多少の内輪ノリは起こるでしょうが、VCがある場合とは全然違うかと思います。
なぜならVCはリアルタイムのやり取りが求められるので、参加者側の負担がとても大きいからです。
ある時忙しくてたまたま参加しなかっただけで、もうその時の話題には乗れなくなってしまいます。
それがいくつも積み重なると、コミュニティ独特のノリに全くついていけなくなる。
これが、あえてネ庭でVCを搭載しない理由となります。
2ヶ月に1度しか来なくてもいつでもふらっと帰ってこれる、過去ログを見ればどんな流れだったか分かる、そんな場所になればいいなと思います。
◎読む専門でもOK
読む専門…すなわちROM専も歓迎です。
ネ庭ではとにかく低負荷な交流を目指しているため、無理に何か発信しなければならないというルールもありません。
また、喋らないでもじゅうぶん楽しめるようにサーバーオリジナル絵文字を50個揃えました。
(今後一部入れ替わる可能性はあります)

どれもそこそこ使いやすいのではないでしょうか。
既存の絵文字ジェネレーターではなく、イラレでデザインにこだわって作りました。
無理に発言せずとも共感や感情を表現出来、楽しめるように工夫しています。
◎管理人も楽したい
昔、Discordで作業サーバーを運営していた経験があります。
その時は、とにかく管理が負担になっていました。
前述したVCの管理の他、新規参加者のロール手動管理、誰かが発言しないとサーバーがすぐ過疎る、荒らし対策、ユーザー間のトラブル…。
当時から出来るだけ負担は軽減するように試みていましたが、かなり苦労していました。
実際その苦労が祟って、自主的にサーバーを閉じる事になりました。
その反省を踏まえ、ネ庭ではそんなサーバー管理者あるあるな悩みも出来る限り解決するように構造を考えました。
- VCの管理→VC自体をなくす
- 新規参加者のロール管理→Discordのオンボーディング機能のタスクと質問で自動的にロール付与
- 過疎対策→作業サーバーではなく雑談サーバーのため、管理人自身が日頃からSNSで発信しているものを流用している、結果毎日何かしらの投稿はしている状態
- 荒らし対策→Discord側の機能強化でそこまで気にする必要が無くなった
- ユーザー間のトラブル→最初のサーバールールで「スレッド内のユーザートラブルには一切関わらない」と公言
このようにして、管理人の負担を徹底的に排除しました。
オンボーディングや荒らし対策など、Discord自体の機能追加により解決した面も多いです。
従来コミュニティでは、管理人1人だと負担がヤバいので数人運営メンバーを擁立する…というのが主流です。
しかし運営メンバーが複数人いると、その運営サイドと一般ユーザーの隔たりも生まれかねない。
かつて所属していたコミュニティでは、そういった運営メンバー同士の仲良しアピール?のようなものをして、一般ユーザーとの格差をわざわざ誇示するようなところもあったりしました。
また、運営が複数メンバーいると意見の擦り合わせも結構大変そうです。
仕事でもないコミュニティで、そんな仕事みたいな事したくない…。
管理人負担を最小限にする事でそもそも運営を1人でも可能な状態にし、そういった格差が生まれないように徹底している。
ちなみに、管理人自身も管理人アカウントと普段のアカウントと分けており、一般ユーザーと同じように振る舞うようにしています。
特別扱いされるのが嫌だという理由からです。
もちろん各スレッドのローカルルールも、管理人だろうがきちんと守る必要があります。
◎1人の時間は好きだけど、完全に独りになりたいわけじゃない
そもそもなぜわざわざこんなコミュニティサーバーを立てたのか?
やはり、既存のSNSやインターネットのプラットフォームに心底嫌気がさしているからだと思います。
「じゃあネット卒業でいいじゃん?」と思われるかもしれません。
しかし、私は若い頃からインターネットに染まってきた人間です。
もしインターネットが無かったら、おそらく今とは全く違う人生を歩んでいたと思います。
インターネットは「世の中にはいろんな人がいるんだなぁ」と知るきっかけの一つでした。
しかし、今のインターネットは利益を追求した恣意的なアルゴリズムなど「あなたはこういう人間でしょ?それならこれが好きだよね?この情報ばかり流してあげるよ」といったサービスばかりです。
…なんか押し付けがましくないですか?
冒頭で挙げたSNSへの不満点もそうですが、最近のインターネットはとにかく息苦しい。
家にいながら「普段絶対に関わらないような人々と関わる事が出来る」のがかつてのインターネットの強みのはずでした。
しかし、今のプラットフォームはそれがほぼ実現不能となりかけています。
偶発的な発見が失われている。
探検したくてもなんか勝手にナビを渡されて、勝手にルートを決められ、ナビが逐一喋ってるような感覚です。
それは「効率的」かもしれないけど、探検の楽しみが奪われているのではないでしょうか?とにかく面白くないんですよね。
古いインターネットの人間が、よく「最近のインターネットはつまらない」と言っている理由はここにあるのではないでしょうか?
決してただの懐古厨や思い出補正だけでなく、ちゃんとした根拠があるのかなと。
私自身そう思っていたので、今回このようなサーバーを作ってみる事にしました。
また、私自身1人の時間が好きなタイプの人間ですが、完全に独りになりたいわけじゃないんですよね。
マイペース人間なので、コミュニティのような同調圧力が強いところはかなり苦手です。
本当にゆるく交流出来る場があればいいのにな、とずっと思っていました。
かつてのインターネットは肩書き関係なく、現実のしがらみから解放されるような場所でした。
即時性が求められるいいねやリプライなどの反応やLINEチャットのようなものではなく、気が向いた時にふらっと見て満足するような場。
ネ庭はそういう場にしていきたいと思っています。
◎正直ユーザー増は狙っていない
ネ庭は、ユーザー数◯人目指す!とかたくさん入ってきてほしい!とか目指してないです。
無闇に人が増える事で、逆に快適性が損なわれる可能性があるためです。
Twitterなんかまさにそんな感じだった気がします。
そのため、ディスボードやSNSなどの場で直接勧誘を流す予定もありません。
サーバー流入は、参加者からの口コミやこの記事の招待リンクを通じてちらほら入ってきてくれればそれでいいかなと思っています。
まだまだ立ち上げたばかりで人数も少ないサーバーです。
現状は私が1人でスレッド立てて喋ってるだけみたいな感じですが、ゆっくり発展して参加者全員にとって(特に私にとって)何となく居心地が良いところになればいいなぁと思っています。
というわけで長々と書いてしまいましたが、良かったら以下の招待リンクから気軽に入ってみてください。


