久々にデザフェスに行ってきた。
相変わらずのお祭りっぷりだった。
世の中にはたくさんのモチーフがあるわけだが、それを自分の目で捉え直してキャラクターデザインなどの表現、作品、販売物として創出する。
その創出には感性が伴う。
そんな数多の感性が一つの場所に寄り集まった、非常にエネルギッシュな場。
だからこそデザフェスは多くの人を惹きつける。
デザフェスへ行ったのは本当に久々だった。
何年ぶりか。
感性の祭典に足を運ぶほどの気力が失われていたのかもしれない。
言ってしまえば、私はずっと疲れていた。
感性が摩耗して疲弊し続けていたのだ。
とにかく生きていくうえでのあらゆる事に翻弄されていた。
今回また再訪する気になったのは…
やはり、自分の中のそういった何かが落ち着いたからなのだろう。
今年になってからやったこと。
インプットアウトプットの場を整え、今のインターネットの打算的な交流でない交流の場を再構築しようとしている。
そして自己の思想の確立。
土台はようやく完成しつつある。
デザフェスに行って改めて思ったが、やはり自分はクリエイターでありながらも異端なのかもしれない、という点だ。
おそらく私もやろうと思えば、あみぐるみを販売したりイラストをグッズ化したりして、一般的なクリエイター活動をする事は出来るだろう。
そういう道筋は容易に描けるし、そのスキル自体はあると自負している。
しかし、作品を通じた密接な交流とかにはそんなに興味が無いし、販売行為をする事自体が煩わしく思えてしまう。極度のめんどくさがりだ。
だったら、作る方に情熱を注ぎたい。黙々と作ってる方が楽しい。
完全に職人タイプだ。しかも現代で損をするタイプ。
私は果たしてクリエイターなのか。はたまた研究者なのか、何なのか。
足をつって起きる羽目になり、そこから肩の痛みに苛まれ寝付けない。
そんな夜に、ぼんやり考え事をしながらふとキャラクターデザインを思いつく。
わざわざロフトベッドを降りて椅子に座り、ボールペンを手に持ち、メモ帳にラクガキをする。
会場で色々刺激を受けたのか、新たなキャラクターが誕生した。
やっぱりクリエイターの要素も間違いなくある。
もう何年も前に私が結婚する際、親同士の顔合わせを兼ねた会食をした時の事を思い出した。
その時の父の言葉が妙に印象に残っている。
「こいつにはクリエイティブな事をやらせた方がいいですよ」
そんな事は人生で一度も言われた事が無かったのでびっくりした。
一体私の何を見てそう思ったのか。
大人になってからそんなに交流があるわけではなかった。
父は、おそらく私がどんな事をしていたかすらろくに知らなかったはずだ。
幼少期の様子からそう判断したのか。
これは私の人生における大きな謎の一つだ。
いや、普通に聞けよ…という話なのかもしれない。
まあいいか、のまま10年くらい放置している。
何年か前にデザフェスに出て分かったことは、別に私はデザフェスに出たいわけではなかったらしい。
だからこそ集客に力を入れる気にもならなかったし、そのおかげで当然出展ブースは閑古鳥が鳴いていた。
デザフェスはSNSの告知の時点で激しい顧客争奪戦が行われているわけだが…。
私はその戦争には興味が無かった。
交流願望もそんなに無い。ほんとに些細な交流程度でいい。
少なくともSNSで常時繰り広げられているような、派手な交流には興味が無い。
やっぱ自分がよく分からんな。
事前にゆるりとチェックをしていたおかげで、会場のNエリアに私の好きなぬいぐるみ系のクリエイターが寄り集まっているという情報を得た。
会場に着いて、Nエリアからゆるりと見ることにした。
まあ色々購入したわけだが、事前に「ここが出してるこれを買うぞ!」と意気込んでいたわけでもない。当然ブースの番号もまともにメモしていない。
ふんわりとエリアを周り「あーここ、チェックしてたとこだ」と立ち寄り、その場で一番ぴんと来たものを購入。
なんなら全くノーチェックだったところでも、ぱっと目について「いいな」と思ったら立ち寄って購入したりもした。
ライブ感である。
この買い物のしかたはイベントならではだ。
とにかく自分の直感のみを頼りにしている。
そのおかげで思いがけない出会いがあったり、色々面白い。
ただただ行くブースの番号、買う品物をがっつりチェックしてそこだけ行ってすぐ帰る、それじゃつまらないじゃないか。
その方法は効率的であるけれど。効率を突き詰めても面白さは生まれない。
せっかくの感性の祭典なのだ。
遊び心は忘れずにいたい。若さの秘訣だ。
今回の購入品はいよいよぬいぐるみや置物、アクスタばかりだった。
アクセサリーも、他の物も全く買っていない。
あまりにもブレなさすぎる。
自分が「本当に何が欲しいか」を確立したように思う。
写真撮影が楽しみだ。みんな心から「かわいい」と思って選んだ物たち。
ぬいぐるみなどを「家族」でなく「コレクション」として見ているのは、一般的な目線からしたらかなりドライで冷たく見えるかもしれない。
でも私はコレクションに対しては異常な愛情を持って接している(擬人化していたりとかそういう話ではない)。
自信を持ってかわいいと思い、購入。
それらの魅力を最大限に引き出すようにミラーレス一眼で撮影し、Lightroomでレタッチ。
この過程が楽しくて仕方ない。
そうして誕生した1枚の写真。
その魅力をサイトの「コレクション・ギャラリー」で不特定多数に伝える。
SNSのいいねでは賄えない充足感。
…なんだか随分とまとまりの無い文章になったものだ。
なんだかんだでやっぱり私はデザフェスが好きなのだろう。
