2025年4月13日にnoteで公開した記事のリバイバル。
伊豆はまさに太宰の斜陽の空気を思う存分味わえる場所だ。
伊豆に行っていた。
穏やかで、どこか時が止まったような感じがする場所だった。
特に伊豆高原のあたりはノスタルジック。
かつて療養施設がたくさんあった名残もあるのかもしれない。
泊まったホテルも値段の割に異常に広い客室と、山と海を両方堪能出来る景観、レトロ感満載の内装だった。
もしかしたらそういった施設を改修して宿泊施設にしたのかなと思ったりした。本当かどうかは定かではないが。
太宰治の斜陽でも、没落貴族の一家が伊豆の別荘に移り住むところが描かれる。
昔から別荘地として栄えてきた歴史的背景。
伊豆高原のあたり、美しい景色なのにどこか退廃的に感じるのはそのせいなのだろうか。
退廃的というかアンニュイというか。
人気のリゾート地ではあるが、沖縄みたいにエネルギッシュな若者が移住する場所というよりは、老夫婦が引退後の余生を過ごす場所というイメージだ。
人生のエピローグに相応しそうな場所である。
車で走っているだけで、ちょっと胡散臭そうな看板、施設、謎の大仏など怪しい物もたくさん見かけた。
宗教団体がひっそり活動しているんだろうなという感じ。
長年信仰の対象とされてきた富士山のお膝元なので、そういう人たちに好かれやすい土地でもあるのかもしれない。
ノスタルジックでどこか胡散臭くてちょっと異世界めいた場所。
これが伊豆ならではの魅力なんだろうなと思った。