狂騒の中のタップダンス

エッセイ サムネイル アイキャッチ

ポケモンももう30周年らしい。
世間では最新作が発表され、熱狂の渦。
そんなさなかに発売されたのが「おかえり!ピカチュウ」という等身大ピカチュウぬいぐるみだ。

「おかえり!ピカチュウ」は発売1ヶ月前には予約完売していたという圧倒的な話題性のある商品である。
そして、このピカチュウは初代の「デブチュウ」と言われるあのずんぐりフォルムを再現したものであり、当時出ていたぬいぐるみの復刻だ。
初代世代(大体30~40代)に直撃する商品であるとも言える。

で、かくいう私も直撃した世代の一人である。
しかしこの商品を知った頃には予約はとっくに終了済、キディランド原宿の事前抽選も落選となった。

ふむ。
2月28日土曜日の発売当日を迎えるにあたり…
まずは周辺のドンキを巡ってみることにした。MEGAドンキだ。
大体が深夜営業とか24時間営業だからね、ドンキは。

夫と深夜のドライブがてらドンキを何店舗か巡る。
意外とおもろい。あと深夜のドンキはなんか趣がある。場末って感じ。
とはいえ、売り場を見たがおかえりピカチュウらしき姿は無かった。
代わりにくまのパディントンのぬいぐるみをやたら見かけた。謎。
ドンペンちゃんの小さいマスコットぬいぐるみは、そのうち欲しい。

そんな、失意どころか割と楽しんだ深夜のドライブから帰宅。


朝になったら家電量販店でも覗いてみるか…と思案。
ではどこに行くか?首都圏近郊だと、選択肢は無数にある。
安牌はヨドバシ秋葉原や新宿あたりだろう。
あそこなら確実にそれなりの入荷数が確保されているはずだ。
が、それだけ人が多く集まる、争奪戦になるという事だ。

そもそも私は並びたくない
は?と思われるかもしれないが、正直確実に手に入るよりは快適な休日の方が優先順位が高い。
ふらっと朝見に行って、買えたらラッキーくらいのテンションだ。
デブチュウは確かにかわいいが、何が何でも欲しいという執着はそこまで無い。

そんな私がどこへ行くべきか?という計算。
首都圏…とくに新宿や秋葉原は戦場。
横浜も戦場だろう。各地のポケモンセンターは既に店頭販売しないと発表済。
ここで私が見出した場所は…川崎である。

川崎というのは、都心と横浜に挟まれた町だ。
多くの人にとっては経由地であり、周辺住民でもなければわざわざ立ち寄ろうとはならない町。
思えば観光客らしき人間をあの町で見かけた事がない。観光するもの無いし。
それでいて駅の東側のルフロンにはヨドバシカメラの旗艦店、西側のラゾーナにはビックカメラが鎮座している。

ヨドバシならこれだけの話題商品、数十個くらいは入荷するだろう。
ガチ勢ほど都心や横浜に足を運ぶため、開店直後に数十個すぐ捌ける事は無いのではないか…という計算だ。

この日はポケモンセンターで30周年記念の限定品が発売されるから、尚更である。
川崎市民ですら横浜や都心に足を運ぶ率は高いだろう。
もしかして川崎って結構なエアスポットなのではないだろうか?
という謎の戦略的仮説を立てる。
もはやゲーム感覚だ。

あと単純に、川崎にある某ハンバーガー屋に行きたかった。
むしろこっちをメインイベントにして、ついでに入荷してないかな~という体裁を取れば、争奪戦という戦場で疲弊する心配もない。
仮に買えなくとも、ハンバーガーをおいしく食べたという報酬は得られる
「何の成果も…得られませんでした…!」と失意の土曜日を過ごす事はないはずだ。

というわけで行ってきた。


開店の9時半ちょうどに川崎ヨドバシ到着。
店先は普通のゆったりした土曜の朝、といったところである。

おもちゃ売り場のフロアに赴く。
レジ周辺は若干人が並んでいたが、どうやら遊戯王とワンピTCGの新弾か何かの発売日らしい。そっちか。

ポケモンコーナーを見たところ、ぱっと見ておかえりピカチュウらしき姿はない。
しかし謎の空のコーナーがある。まだ商品は陳列されていない。

そういえば30周年記念の御三家モンコレも発売するんだったな、と思い出す。
コーナーだけ作られているが、そちらはまだ売り場には出ていないようだった。
あとおかえりピカチュウの完売張り紙とかは出ていなかったので、もしかしたらズラして品出しする可能性もなくはないかもな、なんて思ったりもした。

とりあえず今おかえりピカチュウは無さそうなので、10時開店のビックカメラ方面に向かう。
ラゾーナの広場周辺は座るところが多くて助かる。開店までのんびりひなたぼっこ……今日暑くない?

春の訪れを感じつつ、10時になったのでビックカメラに足を運ぶ。
おもちゃコーナーのレジ周辺は少し人だかりが出来ていた。
ポケモンコーナーを見ると、おかえりピカチュウは完売の文字。
まあ完売なら仕方ないな。

ぶらぶらと目当てのハンバーガー屋に向かう事にした。
10時過ぎのハンバーガーショップ。ほぼ貸切状態だ。
ポテトを頬張り、ハンバーガーを貪る。

食べた後にSNSで情報を追っていたら、どうやらポケセンオンラインでおかえりピカチュウが入荷されているらしい。
あちゃー、そこは盲点だった。
アクセスしてみるも、サイトが混み合ってるため1時間待ちというご案内。
万博で散々見た混雑回避システムだ!あの歩くやつ!

結果、待ってる間にオンライン上のおかえりピカチュウは完売。やれやれ。


帰りがけに、先ほどのヨドバシの空の棚をもう一度見に行く事にした。
棚にはモンコレの御三家シリーズ。
こうやって並んでいると感無量だ。全部欲しくなってくる。

そして…これまた同日発売のてのひらピカチュウぽけふわ
見本が一緒に展示されていたのだが…

あれ、これめっちゃかわいくないか?

今回発売されたのはデブチュウではないので、存在自体は知っててもスルーしていたのだが…実物がやたらかわいい。かわいいぞ、これは。
というわけで買う。モンコレも初代とダイパとSV御三家の3セットを買う事にした。
なんだかタカラトミーに踊らされている気がしてならないが、かわいいしまあいいか。

ついでに前から欲しかった、ポケモンと全く関係ないぬいぐるみを店頭で見つけた。それも買う事にした。猫。

会計ついでに、店の人に「おかえりピカチュウってもうないんですか?」と聞いてみる。
会計時の問い合わせ、非常にスマートだ。
店員さんもレジ打ちをしながら「実は6個しか入荷しなかったので…でも今後も流通する可能性はあると思うんですけどね。次回入荷は未定です」と親切に教えてくれた。

なるほど、6個。6個?
ヨドバシ川崎という大型店舗ですら、当日入荷をそこまで絞られていたのか。
そりゃ買えなくても仕方ない。

ここで、ひねくれた私は考える。
意図的に初期ロットを絞ったか?
本来なら、これだけの話題商品は数十個程度は入荷しそうなものである。
等身大というクソデカサイズで店舗の保管場所を圧迫する、輸送も面倒という事情を鑑みても、ここまで露骨に少なくなるものだろうか?


ここからの記述は私の推測に過ぎない。
大ハズレの可能性もあるので、鼻くそでもほじりながら話半分に読んでほしい。
そういう可能性もあるのかもしれないなぁくらいの話なので、真に受けないでね。

さて、同日発売のポケセン限定の「はじまりのピカチュウ」というぬいぐるみは、既にポケセン公式から受注販売のアナウンスが出ている。
が、タカラトミー側はいまだ沈黙している。
3月5日に再販売があるというアナウンスがあるだけだ。

ところで、3月5日というのはタカラトミー主催のポケモン30周年ポップアップストアが池袋で行われる初日である。
このイベントは5~11日の1週間開催なのだが、おかえりピカチュウ購入券+イベント入場券が発売予定である。3月2日。
イベント入場券自体は先着順なので地獄の争奪戦不可避…といったところなのだが、こう見ると量販店の初期ロットが異常に少なかった理由はこのイベントのためなのではないか?と思えてくる。

この日までで買えなかった難民たちの最後の拠り所…となるわけだ。
当然イベントそのものの注目も高まる。
おそらくチケット争奪戦時に「とれた!」「無理だった~」と話題になるはずであり、そこからトレンドに載って「こんなイベントあるの!?いきたい!」となる層も出てくるはずだ。宣伝効果。

このイベントが無事終わって熱狂が収まった…あるいは最後まで買えなかった人たちが最大まで飢えた段階で、流通量の増加または受注販売をする可能性が無くはないのではないだろうか。
何度も言っているとおり、これは妄想に過ぎないが。


ところで、私はそれよりも気になっている事がある。
等身大サイズのピカチュウはとてもかわいい。
が、サイズ的に本来買う人はかなり限られるはずだ。
大きなぬいぐるみは場所も取るからね。

しかも昨今はぬい撮り文化が根強く、連れ歩きや外での撮影が主流だ。
アローラまでの全ポケモンぬいぐるみを販売しているポケモンfitも、そういった連れ歩き需要に応えた人気シリーズである。

等身大のおかえりピカチュウの争奪戦を見るに、デブチュウの需要が高い事ははっきりと分かる。
そのデブチュウの手頃なサイズ版ぬいぐるみ、そのうち出るんじゃないかなぁ…なんて思ったり。
2026年はまだまだ続くからね。ポケモン30周年というめでたい年だもの。

需要の高い連れ歩きサイズより人を選ぶ等身大サイズを先に出すことで、結果どちらも買うという人は増えるのではないだろうか。
逆に、もし連れ歩きサイズが最初に出ていたら「等身大?もううちには連れ歩きサイズのデブチュウがいるからいいかな。飾るスペースもあんま無いし」となる人が多そうだ。

と、結構戦略的な販売プランを考えてそうだなと勝手に思わなくもない。
まあこれも個人的な妄想に過ぎないが。
当たれば予言、外れれば戯言である
でも転売屋が涙目になる展開、そのうち来ると思うけどな。
希望的観測。

もしもこれが事実なら、ファンを勝ち組負け組と分断して飢餓感を煽る手法はマーケティング的に超効率的だなと思いつつも、ファン心理をないがしろにしすぎだよなぁとも思う。
まあ事実は定かではない。
この推測が妄想に過ぎないか予言かはその時が来なきゃ分からないし、ハズレならハズレで別に…という感じである。

単にこういう事を考えるのが趣味なだけだ。
つくづく自分も暇人である。
暇人のホームズごっこだ。


そんな事よりも主張したいのが、なんとなく店頭で一目惚れして買ったてのひらピカチュウがめちゃくちゃかわいいことだ。
実物のかわいさが異常すぎる。思わず手に取った程である。
フロッキー加工でふわっふわである。そして大谷育江ボイスでめちゃくちゃ「ピカピカ」言う。
ほっぺが赤く光る。いい買い物をした。

パッケージから出した直後、ちょっと工業製品特有の臭さがあったけど。まあすぐ気にならなくなった。
かわいいし、よく出来ている。

もしもこれのデブチュウ版(昔出てたやつの復刻)が今後発売されたりしたら、そっちも買って並べたいものだ。


ちなみに休日朝10時に商業施設をうろつくという普段やらない経験をしたところ、休日朝10時台の商業施設がとんでもなく快適だという知見を得た。
11時から人が増え始めるが、10時台は本当に快適。
開店直後のラゾーナでは、各ショップの店員さんが歓迎のお辞儀をしていく。
なんか百貨店みたいなオペレーションだな…と苦笑。

今度から気分転換に、休日朝1時間だけ商業施設をうろつくのもありかもしれない。


こうやって休日朝の静かな商業施設という新たな発見をし、ハンバーガーを堪能し、SNSで流れるおかえりピカチュウのお迎え報告写真に素直に癒される。
自分の心の豊かさを確認する。おかげさまで毎日楽しい。
もしも今後デブチュウが手に入らなくても、最悪自作すればいいや。