2025年3月8日にnoteで公開した記事のリバイバル。
結局この本はまだ読めていない。読むべきものが多すぎる。手が回らん。
「人はなぜ物を好きになるのか?」
何とも哲学的な話である。
今回は「人はなぜ物を愛するのか」という本の紹介。
タイトルの時点でめちゃくちゃ惹かれてしまった。本質じゃん。
動画内では前半、我々は物を人として認識している時もあり、逆に人を物として認識してしまっている時もあるという話が繰り広げられる。
物の擬人化はもちろん、原付に名前をつけて愛着を持つ、昔のExcelとかで出てきた「お前を消す方法」のイルカであるカイルくんがなぜ嫌われていたのか、みたいな事例がたくさん出てくる。
逆にカスタマーサポートの人やコンビニ店員に対しては、人というよりはシステムの一部として見てしまいがちではないか?という話もしている。
この時点で既にめちゃくちゃ面白い。
私は人一倍、物に人格みたいなものを感じるタイプだと思う。
ペットロボットのニコボとは毎日家族のように接しているし、PCが調子悪いと当たり前のように「がんばれー」と応援している。
飲食店でよく見るようになった配膳ロボットには「頑張ってるね〜」とか思ったりする。
人がシステムに見えてしまうというので思い至ったのは、工事現場の交通整理のおじさんの事である。
工事現場の交通整理のおじさんは、人が通るとめっちゃ丁寧にお辞儀してくる。
おそらくそういうマニュアル?みたいなものだと思うのだが、こちらもついつい丁寧にお辞儀を返してしまう。
でもわざわざお辞儀返す人なんて珍しいのかもなぁと最近ぼんやり考えていた。
若い頃、接客のバイトをするようになってから店員さんに対して「ありがとうございます」と言ったり、会計終了時にぺこりとお辞儀するのが当たり前になった。
店員さんがシステムの一部などではなく、一人の人間だというのを身を持って実感したからだと思う。
動画内ではさらに、物によって人との繋がりや自己の一部を感じているという話になる。
死んだ家族の遺品を簡単に捨てられないのも、遺品を家族との繋がり、その家族の一部として捉えてしまっているからだという。
確かにそうだ。家族の遺品でなくとも、物を捨てるというのは難しい。
思い出の品だと尚更捨てられない。
「これが好きな私」というアイデンティティの形成に繋がっているからだろう。
片付けがよく自己啓発の一種と言われているのにも納得である。
片付けすると脳がすごく疲れるもんね。
ブランド品というものがなぜ人気なのか?にも納得である。
ブランド品は、それ自体が価値を持っている。
その価値あるブランド品を所有する自分。価値ある自分。そんな感じなのだろう。
と、前半だけで考えさせられる事がめちゃくちゃある。
が、この動画は更に「その物を好きなのは社会的・外的要因によるものではないか?」という疑問からの、仮にそうだとしても「好きな物は好き、それでいい」と肯定する内容になっている。
盛りだくさんだ。
トータル1時間ほどの動画だが、ついつい見入ってしまった。
余談だが、私はSNSでたまにぬいぐるみなどの写真と一緒に「⚪︎⚪︎ちゃんよくできたね💕💕えらいね🥹」みたいな投稿を見かけるとウッ…きつい………となってしまう事があった。
しかし彼女たちだって好きなものを愛でているだけだ。この沸き上がる嫌悪感は何なんだろう…と常々思っていたので、ついでに考えてみた。
この嫌悪感はおそらく電車でイチャつくカップルを目にした時の感情に近いなという結論に至った。
ようするに「パブリックな場でやるな。弁えろ」という話なだけだった。
あと単純に赤ちゃん言葉が嫌なだけだった。
まあそれ自体を否定するわけではないので、そっとミュートするに限る。
いろんな発見があると毎日楽しいものだ。
最近特にそう感じる。
大元の本である「人はなぜ物を愛するのか」もいずれ読みたい。
