凡シュール

雨、静かに狂う、カマキリ

凡シュールのエッセイ

張り切って出かけようと思ったのだが、結局やめる事にした。
いざ予定が消えたとなると、なんだかスケジュールがぽっかり空いた気分である。

いや、全然暇ではない。
代わりにやる事などいくらでもある。
しかし、出かけるぞ!という気分の中で急にその予定が消えると、どうも他の事もやる気が起きなくなるものである。

きっと雨のせいもあるだろう。
仕方ないので、たくさん寝てから気分転換に散歩に出る事にした。
最近体力がついてきたのか、上り坂で息切れしなかった。
地味すぎる室内運動も少しは効いているようだ。

カフェで休憩。
優雅な午後だ。
そしてアイスティーを啜りながらこの駄文を書き連ねている次第である。

明日も出かけられるか怪しい。
そもそも雨だし。
行きたいところだけがどんどん増えていく。
いい事なんだか何なんだか。

散歩の合間に、ニュースを騒がせている某事故現場の周辺を歩いてきた。
駅にも周辺にもマスコミが大量に群がっていた。
ただ現場検証してるだけの状態で、脚立とカメラを携えてまで一体何の撮れ高を求めてるのかは謎だった。
検証が終わるまで永遠に待つつもりなのだろうか。何を?

狭い歩道はマスコミがほぼ占有し、車を道路に停めて車内で待機しているスタッフもいたりして、はっきり言って通行の邪魔だった。
さすがに呆れてしまった。

世の中で起きている事をセンセーショナルに報じて、注目を集める。
随分と楽しそうな職業だ。もちろんこれは皮肉である。

駅方面をぐるっと回って裏側の道まで行くと、そっちは撮り鉄っぽい人たちがずっと見守ってたり。
さらに歩くと地元住民の野次馬も少しいた。
みんな暇なものである。私含め。

まあもともと電車に乗って出かけようと思ってたら、事故によって電車が動かない。
周辺路線の影響も大きい。
だから外出をやめて大人しく近所を散歩する事にしたわけだ。

どうせなら事故現場を眺めるついでに、その近くのカフェでも行こうかなと。
因果関係ってやつである。

ここまでが、冒頭のカフェに行った経緯である。
カフェを出るとそこそこの土砂降りだった。
折りたたみ傘を持ってきていて良かった。

まあ件の事故は怪我人が出なくて何よりである。
影響は底知れぬという感じだが。
事故そのものというか、沿線に人が多すぎる事による周辺路線や道路への影響が甚大である。

今ですらあちこち軽くパニックになっているのに、この沿線はまだまだ住人を増やすつもりらしい。
狭いエリアに人を詰め込んだら…効率はいいのだろうか?利益が出る?
住民の幸福指数的なものがあったら、軒並み下がっていきそうな気もするが。果たして。

電車が動かなかろうがあらゆる手を使って目的地まで行かなければならない社会システム、現場に群がるマスコミ。
この社会って本当に狂ってるなと思う。

最近家のドアの外壁にカマキリが住み着いている。 かれこれ3日いる。
ドアのすぐ脇の壁にへばりついているので、誤って挟んでしまわないか不安でしょうがない。
一体何がそんなに彼の気に入ったというんだろう。
虫の行動理念は本当によくわからない。

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