移住したいところを実際に見に行った。
贅沢な空間の使い方で、都市デザインの妙が凝らされた街だった。
行って確信した。私はこの街に住むべきだと。
歩くのがこんなに純粋に楽しいと思ったのは初めてだった。
いや、私はもともと歩くのが好きだが。4万歩も歩いたのは初めてかもしれない。
地元で歩くと、必ず誰かとぶつからないか気を使って神経をひりつかせる。
自転車と歩行者がぶつかりそうになるところを毎日のように目撃する。殺伐としている。
そんな中で歩いたところで何も楽しくない。クソくらえ。
あの街の人たちはみんな穏やかだった。
そして地元に帰宅した時、あまりの落差に絶望した。
殺伐とした空気に自分が染まって、醜い何かになっていきそうだなと思った。
生まれる場所ガチャ、大ハズレを引いたらしい。
何が利便性だ。東京が無かったらただの虚無じゃねえか。
ムカついてムカついてムカついて仕方ない事ばかりなのだが、とりあえず目標を定めた。
もともとあった目標は今住んでる場所の近くでアトリエのワンルームを借りれるようになるというものだったが、もうそんなものはいらない。
絶対にこの街を脱出してやる。
志半ばで倒れたら全てを呪い殺してやる。
とっくに精神の痛みで身体に支障を来たしてもおかしくないはずなのだが、頑丈そのもので我ながら呆れるものだ。
部屋のゴミを捨てた。
これまで「消費」してきたものは、しょせんこの程度の価値しかないのかと思った。
私には極論コレクションだけで十分だ。
もうしばらくどこにも行きたくない。
自分のクソみたいな地元と比べて悲しくなるだけだ。
それなら唯一私の世界で穢されていない、このサイトを強固にしていくのに集中した方がいい。













